省エネルギー住宅ってどんなもの？省エネな建築構造と省エネ住宅の選び方

省エネルギー住宅ってどんなもの？
省エネな建築構造と省エネ住宅の選び方

みなさんは「省エネ」と聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか。電気を小まめに消したり、エアコンの使い方を工夫したりといったことを思い浮かべる方がほとんどかと思います。そのような日常的な省エネも大切ですが、住宅を建てる際に省エネルギーな建築構造にすることで、大きな省エネ効果を得ることができます。
今は、省エネルギーな建築構造と省エネ住宅を選ぶ際に役立つ情報をご紹介します。

省エネルギーな建築構造

冷暖房による消費電力は、家庭内のエネルギー消費の3分の1を占めるともいわれています。つまり、冷暖房の使用量を最小限に抑えられる建築構造の住宅を建てれば、大幅な省エネルギーが可能となるわけです。では、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる建築構造とは、一体どのような構造なのでしょうか。

【1】断熱性が高い構造

省エネルギーな住宅の基本は、断熱性が高い構造を目指すことです。
特に重視したい箇所が、窓やドアなどの開口部です。夏の冷房時に室外から侵入する熱のうち、約7割が開口部から入ります。また、冬の暖房時に室外へ出ていく熱の約5割が開口部からです。
つまり、開口部の断熱性能を高めることで、断熱性が高い省エネ住宅となります。
窓の断熱性能を決めるカギは、窓ガラスの形状とサッシの素材です。
サッシはプラスチック製や木製の断熱サッシが良いといわれています。見た目の印象が異なるため、部屋の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。
窓ガラスは二重になっている複層ガラスが、断熱性が高く省エネに効果的です。
ドアの断熱性を高めるためには、断熱材を用いた断熱扉を設置することが重要です。
断熱扉とは、扉の内側にウレタンなどの断熱材が使用されている扉のことです。また、扉の枠に気密材や断熱樹脂を用いるなどして、熱や冷気が出入りすることを防ぐなどの工夫が施された扉もあります。

【2】日射熱を遮蔽する構造

気温が高くなる夏を涼しく過ごすためには、日差しを遮ることが重要です。室温が上がる主な要因は、部屋の外からの日射熱であるといわれています。
日射熱を遮断するためには、ブラインドを窓の外側に設置しましょう。窓の内側に設置した場合と比べて、3倍近くの日射遮蔽効果が得られます。
また、窓の上に深いひさしやオーニングを取り付ける対策も有効です。特に、太陽の高度が高い南向きの窓の場合は効果が高くなります。

【3】気密性が高い構造

外壁や屋根、床などの外気と接する部分に断熱材を使用して隙間をなくすことで、気密性が高まります。
隙間があると、室内外の空気が行き来してしまいます。夏は室外からの熱が室内に入り、冬はせっかく暖房で暖めた室内の空気が室外へ逃げてしまうわけです。結果的に室内の冷暖房使用量が増え、家庭内のエネルギー消費が増えてしまいます。

省エネ住宅の選び方

では、省エネルギーな住宅を購入するためには、どのような点に注意して選べば良いのでしょうか。
住宅の品質確保の促進等に関する法律（通称・品確法）に基づく住宅性能表示制度などを参考にすることも重要ですが、一般の方にも分かりやすい販売されている住宅が省エネ住宅であることを表すラベルもあります。
ここでは、省エネ住宅に関するラベルを2つご紹介します。

【1】住宅省エネラベル

住宅省エネラベルとは、その住宅が「総合省エネ基準」と「断熱性能基準」に適合しているかどうかを表すラベルです。ラベルは住宅そのものに貼り付けられているほか、パンフレットや広告などにも使用されています。
住宅省エネラベルは、省エネ法第86条によりラベルの基準や種類が定められています。
緑のラベルは登録建築物調査機関評価に基づくラベルで、青のラベルは自己評価に基づくラベルです。それぞれ、「断熱性能基準」に適合している場合と適合していない場合によりラベルの表示内容が異なるため、全部で4種類のラベルがあります。

【2】窓の断熱性能表示制度の窓ラベル

窓の断熱性能表示制度の窓ラベルは、窓の断熱性能が表示されているラベルです。窓の断熱性能表示制度も、省エネ法第86条に基づいた「窓等の断熱性能に係る情報提供に関するガイドライン」により定められています。
省エネ建材等級の区分は、4段階に分けられています。断熱性が高い窓ほど、窓ラベルに描かれた星の塗りつぶされている数が多くなります。つまり、星が4つとも塗りつぶされているラベルが貼付された窓が、最も断熱性の高い窓として評価されているということです。

おわりに

省エネルギーな建築構造と省エネ住宅を選ぶ際に役立つ情報をご紹介しました。
自宅を省エネ住宅にすることで、大きな省エネ効果が得られます。家を新築する際やリフォームする際には、省エネルギーを意識してみてはいかがでしょうか。

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